こんにちは。松戸市・柏市・流山市で相続に強い税理士の秋元隆正です。
相続ブログの第8回目は、相談に来られる方が特に気にされる、相続税申告の料金について。
料金の基準から相場、私が勤めていた税理士事務所での話などを書いていきます。
目次
1 相続税申告の料金の基準
2 申告料の相場
3 私が勤務していた税理士事務所での話
4 最後に
1 相続税申告の料金の基準
相続税申告の料金は、どのように決まるのでしょうか?
当事務所の料金表を作成する際に、たくさんの税理士事務所・会計事務所のホームページなどを調べました。
結果、次の項目を基準にしている事務所が多かったです。
なお、当事務所の相続税申告の料金も、次の項目を基準にしています。
① 遺産総額
② 相続人の人数
③ 土地の数
④ 取引相場のない株式(簡単にいうと、中小企業の株式です。)の有無
⑤ 複雑な評価や膨大な手間がかかる財産の有無
⑥ 特急料金(申告期限まで時間がない場合)
次は、上記項目を含め、申告料の相場を見てみましょう。
2 申告料の相場
相続税申告の料金の相場(料金総額)ですが、遺産総額の0.5%~1%と言われています。
料金総額は、上記の基準となる項目の金額の合計となるのですが、各項目の金額の相場は次のとおりです。
①遺産総額
この遺産総額の部分が、相続税申告の料金の基礎となります。
この部分の金額は、5,000万円未満は×××円、5,000万円超~7,000万円未満は×××円という風に、段階的に決められています。
この部分は、税理士事務所・会計事務所ごとに異なりますが、遺産総額の0.5%~0.8%が相場だと思います。
なお、当事務所の遺産総額部分の料金表の一部は、以下のとおりです。
5,000万円未満 250,000円
7,000万円未満 350,000円
1億円未満 500,000円
②相続人の人数
この部分は、1人あたり×××円というのではなく、次のように計算されるのが一般的です
遺産総額の料金 × 10% ×( 相続人の数- 1 )
つまり、相続人が2人以上の場合、1人増えるごとに10%ずつ加算されます。
当事務所も、この基準で加算しています。
③土地の数
評価する土地1つにつき60,000円が相場です。
当事務所の料金も、評価する土地1つにつき60,000円です。
なお、評価が複雑な土地や不動産鑑定をする場合は、プラス料金や不動産鑑定料がかかります。
④取引相場のない株式(簡単にいうと、中小企業の株式です。)の有無
中小企業の経営者や身内の方の相続税申告の際に、評価が必要となる財産です。
この部分も税理士事務所・会計事務所ごとに料金が異なります。
私の感覚では、基本料が15万円~30万円、評価する会社が土地を所有している場合には1つの土地につき60,000円が相場だと思います。
なお、当事務所では基本料20万円、土地1つにつき60,000円です。
⑤複雑な評価や膨大な手間がかかる財産の有無
通常の相続税の申告ではあまり見られない特殊な評価が必要な財産や、集計や評価に膨大な手間がかかる財産がある場合に加算されます。
この部分の料金は、個別に見積りということになるでしょう。
⑥特急料金(申告期限までに日数がない場合)
特急料金は、ご依頼の時点で、申告期限までに日数がない場合にかかる料金です。
この部分も税理士事務所・会計事務所ごとに異なりますが、上記①~⑤の料金合計に10%~30%を加算するのが相場です。
加算される割合は、概ね次のような感じになります。
申告期限まで3ヶ月を切っている 10%
2ヶ月を切っている 20%
1ヶ月を切っている 30%
このように、申告期限が近付くにつれて、加算料金が増えていきます。
これをお読みの皆様には、相続が発生した場合は早めにご相談に行くことをお勧めします。
なお、当事務所も上記の割合で加算しています。
相続税申告の料金が気になる方は、上記の各項目に記載されている金額から、料金を試算してみてください。
なお、当事務所の料金は、相続税申告の料金相場で設定しています。
従って、当事務所の料金表で計算すれば、税理士事務所・会計事務所に依頼した場合の料金が大体わかります。
お見積りだけのご相談でも初回1時間は無料でお受けいたしますので、相続でお困りの方は、当事務所にご連絡ください。
3 私が勤務していた税理士事務所での話
当事務所は、業務ごとの詳細な料金表を作成しています。
また、多くの税理士事務所・会計事務所も、業務ごとに料金表を作成し、料金を明確にしています。
しかし、料金表を作成していない税理士事務所・会計事務所も、未だに多く存在します。
しかも、料金表のない事務所では、残念なことがおこなわれていることもあります。
私は、自分で税理士事務所を開業するまでに、計3ヶ所の事務所で勤務しました。
ここからは、私が勤めていた、とある事務所での話です。
相続税申告や会社が顧問税理士を探しているということで、色々な方が事務所に相談にいらっしゃいます。
そして、当たり前ですが、料金の話になります。
私が勤めていた事務所は、料金表が無い・あっても実際に機能していない状態でした。
このような場合、その場で見積もりをおこなうことは出来ません。
後で見積金額を出すか、作業してみてから料金を決めることになります。
その見積金額や料金も、何かを基準にして計算するのではなく、何となくだったり、平成14年に廃止された税理士報酬規程というとても高い基準を用いて計算します。(遺産総額にもよりますが、現在の相場の倍近くになることもあります。)
値引きするって言ってお得感を出すんですが、元の金額がとんでもなく高いので・・・。
これだけでも「なんじゃこりゃ?」って思いますが、もっとビックリなのが、相手を見て料金が変動したり、意味もなく変動するんです。
つまり、文句を言わなそうな人や何だかんだ言っても支払ってくれる人は、料金が高くなるのです。
ほかには、最近、売上が減ってきたから埋め合わせをしようとか。
料金表がない事務所のすべてがこのような事務所だとは言いません。
このように決められた料金だとしても、お客様が納得や感謝をしている場合は、その価値があるのでしょう。
また、相続税の申告、特に土地の評価に関しては、評価する人間の数だけ答えがあるケースも多々あるので、結果、節税になっていれば良いのでしょう。
従って、このような料金の決め方をしている事務所を、とやかく言うつもりはありません。
その事務所の方針なのですから。
そうは言っても、人を見て・意味なく料金が変わるってどうなんでしょう?
私はそれが嫌だったので料金表を作りましたし、このようなことがないようにするために、多くの事務所が料金表を作成しているのだと思います。
相談の際に、料金表を基に料金の説明をしてくれるかどうかを一つの判断材料にするのも良いと思います。
4 最後に
今回は、相続税申告の料金について書きました。
私が他の事務所のホームページを見ていて、よくこの低料金でやれるなぁと思った事務所も、いくつかありました。
また、仲の良い税理士から聞いた話ですが、30,000円で相続税申告を受けた事務所があるそうです。
相続税は、税理士の業務の中でも、経験が積みにくい業務の一つです。
従って、誰に依頼するかによって、結果(納税額など)が大きく変わってしまうのが現実です。
申告料金も重要な判断材料の一つですが、料金だけを見て安い事務所に依頼をし、結果的に損をしてしまうことも考えられます。
また、残念ながら、明確な基準がなく、人を見て料金を決めている事務所があることも書きました。
相続税申告は、料金が「安い」・「高い」だけで、「良い」・「悪い」と決められるほど単純ではありません。
しかし、世の中には相場というものがあり、安いには安いなりの理由・高いには高いなりの理由があり、また理由がなく高い場合もあります。
このブログが、良い税理士事務所・会計事務所に依頼できるキッカケになれば幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
松戸市・柏市・流山市で相続に強い税理士 秋元隆正のブログ第8回
2019年4月22日