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相続税申告は自分で出来るの? 相続ブログ第15回

 

こんにちは。松戸市・柏市・流山市で相続税に強い税理士の秋元隆正です。

 

相続ブログの第15回目は、「相続税申告は自分で出来るの?」をお伝えします。

 

 

シニアあんしんサポートまつどの個別相談会や税理士会松戸支部から派遣される税務相談の際に、「相続税申告は自分で出来ますか?」「相続税の申告を自分でやろうと思っているが、○○○について教えて欲しい。」という質問をよく受けます。

 

私はこの質問を受けた時には、「できる人はできる。できない人はできない。人による。」「調べること・計算すること・書類を書くことが好きか得意であればできる。」と回答しています。

 

 

個別相談では時間が限られているので、結論のみをお伝えしていますが、今回はこの事を細かく説明したいと思います。

 

では、具体的なことを見ていきましょう。

 

 


目次

 

1 自分で申告をしている人達の割合

2 相続税申告でやること

3 自分で申告をすることのメリット

4 自分で申告をすることのデメリット

5 最後に

 

 


 

 

1 自分で申告をしている人達の割合

 

実際に税理士には依頼せず、自分で相続税申告をしている人達は、どのくらいいるのでしょうか?

 

 

財務省が公表している「国税庁実績評価書」に、各税目の税理士関与割合が掲載されています。

 

これによると、平成29年事務年度相続税の税理士関与割合は84.4%です。

※ 財務省ホームページ「平成29年事務年度 国税庁実績評価書 129ページ 参考指標2:税理士関与割合」参照
https://www.mof.go.jp/about_mof/policy_evaluation/nta/fy2017/evaluation/201810ntahyokazentai.pdf

 

 

従って、相続税申告を自分でおこなっているのは15.6%となります。

 

 

 

この数字を見て、みなさんはどう思いましたか?

 

私は、頑張っている相続人が結構いるんだなぁって思いました。

 

 

その理由は次で詳しくお話しますが、相続税申告はやることが沢山あって、結構大変です。

 

 

 

 

2 相続税申告でやること

 

相続税申告では、やることが沢山あります。

 

どんなことをするかと言うと、下記のことをやることになります。

 

① 書類の収集

② 財産評価(特に土地の評価。)

③ 遺産分割協議(相続財産をどう分けるかの話し合い。)

④ 遺産分割協議書の作成

⑤ 特例の適用可否の判断(小規模宅地等の評価額減の特例の判定など。)

⑥ 相続税申告書の作成

⑦ 納税

 

 

上記のこと全てを、10ヶ月以内に行わなければなりません。

 

しかも、ほとんどの方は初めての相続税申告でしょうから、分からないことを一つ一つ調べながら行ないます。

 

これが結構大変です。

 

 

 

では、上記の①~⑦のポイントを細かく見てみましょう。

 

 

 

① 書類の収集・③ 遺産分割協議・⑦ 納税は、弊所に依頼があった場合でも、依頼者である相続人の方々におこなっていただくものです。

 

しかし、①の書類の収集については、必要資料と取得場所を説明しますので、ゼロから調べるよりも手間がかなり省けると思います。

 

 

 

 

遺産分割協議書は、一般的なフォームを探してパソコンで作成できるでしょう。

 

しかし、不動産の相続登記が必要な場合には、法務局が受け付けてくれるようなフォームで作成する必要があるので、注意が必要です。

 

 

 

 

相続税申告書は、フォームが決まっているために作成できなくはないですが、記載箇所・計算箇所が多いので、間違えずに作成するのは大変です。

 

 

 

 

更に問題なのは、 ② 財産評価(特に土地の評価)と⑤ 特例の適用可否の判断です。

 

② 財産評価のうちの土地の評価は、単純に面積に路線価を掛けて計算すれば良いという訳ではなく、色々な条件を加味して計算しますので、とても複雑で難しいです。

 

特例の適用可否の判断も、表面上だけでなく、実質的な面で判断する必要がありますし、適用を受けるために追加資料の提出が必要だったりします。

 

 

この2つは、税理士でも間違えることが多いと言われているものです。

 

しかも、金額が大きいため、間違えてしまうと納税額への影響が大きくなってしまうものでもあります。

 

 

 

 

上記は、一般的な相続税申告のケースですが、特殊な財産や事項があれば、更にやることは増えることになります。

 

 

以上が、相続税申告でやることですが、突き詰めて言うと、「調べる」・「計算する」・「書類を書く」ことです。

 

そして、実際に15.6%の方は自分で申告をおこなっています。

 

このような理由から、私の答えは、冒頭の言葉になるのです。

 

 

 

続いて、メリットとデメリットについて見てみましょう。

 

 

 

 

3 自分で申告をすることのメリット

 

まずはメリットについて見てみましょう。

 

 

メリットとして考えられるものは、以下のものです。

 

 

① 税理士の申告手数料がかからない。

 

相続税申告を税理士に依頼すると、手数料が掛かります。

 

相場は相続財産の0.5%~1%ですので、相続財産が1億円であれば手数料は50万円~100万円です。

 

自分で相続税申告をおこなえば、この金額が手元に残るわけですから、大きなメリットではないでしょうか。

 

 

 

 

4 自分で申告することのデメリット

 

続いてはデメリットです。

 

デメリットとして考えられるものは、以下のものです。

 

土地の評価が難しい。

② 特例の適用可否の判断が難しい。

③ 相続税申告書や遺産分割協議書の作成に手間がかかる。

④ 間違って相続税を多く納税していても、税務署は教えてくれない。

⑤ 間違って相続税を少なく納税すると、相続税本税のほかに延滞税・過少申告加算税などが掛かる。

 

 

 

上記①~③については、「2 相続税申告でやること」の中でお話したので、ここでは省略します。

 

 

 

④ですが、もし納税者が税金を多く納付していたとしても、税務署は「多いですから返しますよ。」とは言いません。

 

勝手に多く納付してきたものをわざわざ返す程、税務署はお人好しではありません。

 

従って、間違って多く納付した相続税は、払い損になります。

 

 

これが、土地の評価が過大だった・適用できた特例を適用しなかったと言う事であれば、その金額はかなり大きくなる場合もあります。

 

 

 

 

⑤は、逆に納税が少なかった場合ですが、その場合は、税務署は少ない分の相続税はキチンと徴収します。(税務調査等で。)

 

その時には、相続税本税のほかに、延滞税・過少申告加算税などもプラスして徴収します。

 

せっかく頑張って相続税申告をしたのに、結局は税務署に支払ったものが多かった、ましてや、その金額が税理士の手数料相場に比べて多かったとなると、目も当てられません。

 

 

 

 

5 最後に

 

今回は、相続税申告は自分で出来るのか?という点からお話しました。

 

 

自分で申告をおこなうことは可能ですが、少なくとも相続税の納税が発生するような方は、税理士に相続税申告を依頼することを私はお勧めします。

 

手数料は掛かっても、相続税申告に慣れた税理士に任せた方が安心だと思います。(あくまでも、相続税申告に慣れている税理士ですが・・・。)

 

 

いずれにしても、後悔するような申告にならないことをお祈りいたします。

 

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

 

松戸市・柏市・流山市で相続税に強い税理士 秋元隆正のブログ第15回
2019年9月25日

 

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