こんにちは。松戸市・柏市・流山市で相続に強い税理士の秋元隆正です。
相続ブログの第6回目は、「相続のことは誰に相談すればいいの?」と題して、相続に関する相談先について書いていきます。
実際に、当事務所に相続の相談に来ていただいた方から、「誰に相談したらいいか分からなかった。」と言う声をよく聞きますので、少しでも事前に解消できたらいいなぁと思っています。
目次
1 主な相続の相談先
2 各相談先に相談・依頼できること(主な業務内容)
3 相談先が分からないと言われる相続の相談とは?
4 誰に相談すればいいのか?
5 相続を得意とする専門家の探し方
6 最後に
1 主な相続の相談先
相続に関する相談先には、どんなところがあるのでしょうか?
主な相談先を列挙してみます。
税理士
司法書士
行政書士
弁護士
信託銀行
不動産会社
生命保険会社
葬儀屋 など
2 各相談先に相談・依頼できること(主な業務内容)
では、上記の各相談先には、相続に関してどんなことを相談することができるのでしょうか?
主な業務内容を個別に見ていきましょう。
① 税理士
相続税・贈与税・所得税などの税金の相談と申告
ちなみに、税理士と混同されている方が多い公認会計士は、会計監査の専門家であり、税金の相談・申告をすることができません。(ただし、公認会計士登録だけでなく、税理士登録もしている場合には、税金の相談・申告をすることができます。)
② 司法書士
不動産の相続登記
相続放棄の申述(書類作成)
③ 行政書士
遺言書の作成
遺産分割協議書の作成
④ 弁護士
遺言書の作成
遺産分割協議
遺産分割協議書の作成
相続人間で揉めた時の調停や裁判の代理人
相続放棄・限定承認の申述
相続財産の調査
遺留分減殺請求 など
⑤ 信託銀行
遺言書の作成・管理
遺言執行業務
遺産整理業務
こう見ると、信託銀行には相続に関する殆どのことを相談・依頼できそうです。
しかし、費用(手数料)が結構かかります。
手数料は、遺産総額に料率をかけて計算されますが、最低報酬が決められていて、遺言書の作成・管理は最低30万円、遺言執行・遺産整理は最低100万円というのが相場です。
しかも、相続税の申告は税理士、不動産の相続登記は司法書士でなければおこなえないため、信託銀行は税理士と司法書士を紹介するだけです。
もちろん、その費用は別途かかります。
従って、一般の方が信託銀行に相談・依頼をすると、とても高くつくかも知れません。
⑥ 不動産会社
不動産の売却や賃貸の相談・仲介・管理
⑦ 生命保険会社
生命保険契約(相続税の納税資金の準備)
⑧ 葬儀社
葬儀の相談と施行
仏壇・仏具の販売
3 相談先が分からない相続の相談とは?
ここまでは、各相談先の主な業務内容を個別に列挙してみました。
では、これらのうち、皆さんが相談先が分からないと言って困っているものは何でしょうか?
私が相続の相談を受けていて、相談先が分からないと言われるものは、概ね次のものです。
相続税申告の相談・依頼
不動産の相続登記
遺言書の相談・作成
遺産分割
相続放棄
これらは、税理士・司法書士・行政書士・弁護士の業務範囲です。
実際に、当事務所にご相談に来られる方は、既に葬儀は終わっており、生命保険の手続きも終わっています。
不動産を売却しようとしている方も、既に不動産会社に相談している方が多いです。
従って、一般の方々には、私たち士業(「しぎょう」とか「さむらいぎょう」と読みます。)の業務範囲の違いが分からない・浸透していないということなのです。
さすがに、揉めたら弁護士に相談するというのは一般的なので、調停や裁判などについては別ですが。
4 結局、誰に相談すればいいのか?
「誰に相談すればいいのか?」の表面的な回答は、「上記の2を見て、困ったことの相談と業務がおこなえる業種の人に相談してください。」となります。
しかし、ここで注意が必要です。
各業種、特に税理士・司法書士・行政書士・弁護士には、得意分野・不得意分野があり、全員が相続を得意にしているとは限らないのです。
その理由を、税理士を例に説明します。
平成29年中の相続税の申告数は、国税庁の発表によると143,881件です。
これに対して、税理士は約77,000人。
単純に、相続税の申告数を税理士数で割ると、税理士1人あたり年1.86件です。
これは相続専門の税理士も含めた数字なので、相続専門の税理士以外の税理士の申告数は、もっと少なくなると思います。
実際、相続税の申告を1回もやったことがない税理士を、私は何人も知っています。
従って、税理士でも相続を得意とする税理士に相談することが大切です。
これは税理士に限らず、司法書士・行政書士・弁護士にも同じことが言えます。
では、どうやって、相続を得意とする専門家を見付ければ良いのでしょうか?
5 相続を得意とする専門家の探し方
相続を得意とする専門家の殆どは、以下のことをやっています。
① ホームページやブログなどで、相続の情報を詳しく発信している。
② 相続セミナーを開催している。
③ 他業種の専門家と提携・連携している。
たまに、当事務所にご相談に来られた方の中に、司法書士に相談に行ったら、「相続税がかかるか分からないので、税理士に相談しに行ってください。」と言われたので相談に来ましたという方がいます。
相続の業務は、1業種だけで完結させることは無理ですから、相続を得意とする専門家であれば、必ず他業種と提携・連携をしていますので、自身の提携先を紹介するはずです。
もし、他業種を自分で探してくださいという専門家が居たら、その人は相続が得意ではないと見た方がいいでしょう。
今は、インターネットなどで沢山の情報が手に入る時代です。
上記の3点を参考にして、相続の専門家を探してみてください。
6 最後に
相続は、殆どの人が一度は経験する人生のビックイベントの一つです。
その時に、相続業務を不得意とする専門家に相談してしまったら、大変な目に遭うかも知れません。
誰でも一緒だろうと思って近くの専門家のところに相談に行くのではなく、ご自身で積極的に相続の専門家を探すことがとても大事です。
そして、実際に会ってみて、この人になら相談・依頼しても良いという専門家が見付かるまで探して欲しいと、私は思います。
これをお読みいただいた皆様が、親身になって相談に乗ってくれる相続の専門家と出会えることを、お祈りしています。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
松戸市・柏市・流山市で相続に強い税理士 秋元隆正のブログ第6回
2019年3月24日